-この記事は「諸君」2007年8月号から転載しています。執筆者は笹幸恵さん-「慰霊碑建立のコスト」 慰霊碑建立のコストはどれくらいかかるのか。一つの目安になるのが、(財)太平洋戦争戦没者慰霊協会が建立した海外の慰霊碑で、一基につき総工費二億円程度である。これが高いか安いかは人によって意見が異なるかもしれないが、日本における二〇〇六年のODA支出純額は一兆三千億円にのぼっている。このわずか〇・〇二パーセント...
-この記事は「諸君」2007年8月号から転載しています。執筆者は笹幸恵さん-「中韓の口封じにも」 日本も、海外に慰霊碑やメモリアルとしての施設を建立できないものだろうか。建立場所の取得、対日感情への配慮など、乗りこえるべきハードルは多いが、試みる価値は充分にある。 私は何も日本人戦没者だけを手厚く慰霊しようと言うのではない。太平洋の島々を巡って思うのは、もやは戦没者に敵も味方もないこと、そして多くの現...
-この記事は「諸君」2007年8月号から転載しています。執筆者は笹幸恵さん-「友好国との合同慰霊祭を」ここ数年、国内では國神社への参拝問題について盛んに議論がなされている。日本の首長である総理大臣が國を公式参拝するのは当然であり、周辺諸国からの批判は内政干渉にあたるという意見。いや、周辺諸国の被害感情を慮って参拝を取りやめるべきだとの意見。小泉前首相は、「二度と戦争を起こしてはならないという気持ち」...
-この記事は「諸君」2007年8月号から転載しています。執筆者は笹幸恵さん-「欧米の慰霊の実態」大戦中に戦地となった太平洋の島々を訪れてみると、米国の慰霊碑が立派なことに驚く。サイパンでは、繁華街であるガラパン地区に、広大な敷地の米国記念公園があるが、中心部には記念塔が建ち、戦没者の名前を刻んだ御影石で囲まれている。現地の人によれば、そこには米国と共に戦った島民たちの名も合わせて記されているという。ガ...
-この記事は「諸君」2007年8月号から転載しています。執筆者は笹幸恵さん-「戦友を悼み、父を偲ぶ」 調査事業に目処がつけば何らかの方針が見出されるものと考えていたのだが、調査事業が三年を経過した今、厚生労働省では“整理事業”に着手している。「管理不良」や「不明」とされた慰霊碑を、建立者や現地住民の了解を得て撤去するというものだ。しかし、現時点で「管理良好」とされた慰霊碑については、何の対策も講じていな...